補助記憶装置の種類【基本情報】

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補助記憶装置の種類

CPUは主記憶上のデータしか,読み書きでない.主記憶の特徴は低容量で高速,電源を落とすとデータが消える性質(揮発性)を持つ.補助記憶装置は主記憶の補助となるメモリのことを指し,アクセス速度は遅いものの,大容量のデータを保存することができる.また主記憶と違い電源を落としてもデータが消失することはない.

磁気ディスク

磁気を使用してデータを記録する補助記憶装置.磁性体のディスクにデータが記憶され,磁気ヘッドを用いてデータの読み書きを行う.アクセス速度とデータ転送速度が高速で,容量も比較的大きい(数十GB〜数TB).通常,プログラムのアプリーケーションや,データは磁気ディスク装置に保存される.磁気ディスクのことをハードウェアと呼ぶ.

磁気ディスク装置の構造

右図のようにディスクは複数枚で構成されている.ディスクの表目にはデータを記録する上での最小単位であるセクタが複数あり,セクタが同心円上に集まっている単位をトラック,ディスクの回転軸から当距離にあるトラックをまとめてシリンダと呼ぶ.

データをセクタ単位で読み書きする方式をセクタ方式と呼ぶ.1つのセクタに複数のデータを書き込むことはできず,他のセクタをまたいで記録する.

例)1028バイトのセクタ長に2000バイトのデータを記録する場合2つのセクタをまたいで記録することになる.この時に余った28バイトにデータを入れることはできず,何も記録されない領域となる.

磁気ディスク装置のアクセス時間

CPUがディスクに対して読み書きの命令を指令してから,読み書きが完了するまでの時間をアクセス時間と呼ぶ.磁気ディスク装置に関してはシーク時間(位置決め時間),サーチ時間(回転待ち時間),データ転送時間の和で求めることができる.

シーク時間(位置決め時間)磁気ヘッドをディスク上のデータの位置(トラックの位置)まで移動するのにかかる時間.
サーチ時間(回転待ち時間)目的のデータが磁気ヘッドの位置まで回転してくるまでの時間.トラックとセクタが一意に決まる.
データ転送時間目的のデータが磁気ヘッドを通り過ぎて読み込みが完了するまでの時間

フラグメンテーション

磁気ディスクにデータの読み書きや消去を繰り返すと,連続するデータの位置がバラバラになり,断片化する.このことをフラグメンテーションと呼ぶ.データが断片化しているため,アクセス時間のパフォーマンスが低下する.

アクセス時間のパフォーマンス低下を防ぐため,断片化したデータを連続した領域に戻す作業(デフラグ)を行うことで,フラグメンテーションは解消する.

フラッシュメモリ

フラッシュメモリは半導体メモリの一つで電源を落としてもデータが消えない不揮発性のメモリ.電気的に半導体にアクセスするため,磁気ディスクや後述する光ディスクより桁違いに読み書き速度が速い.コンパクトで大容量のため,PCやスマホ,デジタルカメラの記憶媒体として使用されることが多い.USBやSDカードが代表的なフラッシュメモリ.

SSD(Solid State Drive)

フラッシュメモリを用いた磁気ディスク装置(HDD)の代わりになる補助記憶装置.磁気ディスクのような機械的な位置決めがなく電気的に読み書きを行うため静音でアクセス速度が速い.HDDは振動によってセクタの場所がずれてしまいバグを引き起こす要因となり得るが,SSDは電気的に読み書きを行うため振動に強い.

光ディスク

レーザー光を使用してデータの読み書きを行う記憶媒体.大容量で安価,耐久に優れる.光ディスクにはCD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disc),BD(Blue-ray Disc)がある.

光ディスクの記憶方式は再生専用型(利用者の書き込みは不可),追記型(書き込み可,書き換え不可),書き換え型(書き込み可,書き換え可)がある.

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