
cpuで命令を実行するにはいくつかの手順がある.一つの命令が終了してから次の命令を実行する方式(逐次制御方式)は,演算増置や制御装置が待ち状態(動作しない時間が生じる)になってしまい,演算速度が出ない.ここでは基本のパイプライン方式等のCPUを高速化する技術を解説する.
CPUの動作手順
cpuは①プログラムカウンタから命令を実行,②命令を取り出す,③命令を解析,④実行アドレスの取得,⑤処理対象のデータ送信,⑥命令を実行,⑦結果の格納のステップで動作する.このステップを高速化させる.処理ステップの詳細は下記を参照.
逐次制御方式

命令1が終了した後命令2を実行する方式.演算増置や制御装置が使用されていない時間が発生する.CPU速度が非常に遅い.そのため別の方式を採用し,高速化を行っている.
パイプライン方式

逐次制御方式の演算増置や制御装置が使用されていない時間を減らすために,ステップを1つずつずらして,高速化を図る方式.
パイプライン方式に欠点があり,命令1に分岐命令が発生するとそれ以降の処理を中断して,新たに分岐先の命令を実行する必要がある.

新たな命令1は命令2の後に来ることになり命令の順序の逆転が発生する.これをパイプラインハザードと呼ぶ.
パイプラインハザードを防ぐために,実行される確率が高い方を実行する分岐予測や予測した分岐先を実行した後その結果を保持し,分岐先が正しければその結果を利用する投機実行などがある.
スーパーパイプライン方式

パイプライン方式の1つのステップをさらに細分化した方式.細分化することでパイプラインの処理効率をさらに向上させることができる.
スーパースカラ方式

命令を処理するパイアプラインが複数あり,同時に複数の命令を実行することができる.パイプラインを増やして高速化を図る.
マルチコアプロセッサ
マルチコアプロセッサとは,1つのCPUの中に複数のcoreが搭載されており,コア数に応じて処理速度を向上させることが可能.従来のシングルコアと比較して消費電力を抑え,計算速度を苦速化させることが可能.2コア(デュアルコア),4コア(クアッドコア),8コア(オクタルコア)と呼ぶ.
GPU( Graphics Processing Unit )
画像を処理するのに必要な計算を行う画像処理装置のこと.行列演算を用いて数千個のコアで並列実行を行う.処理速度はCPUの10倍を超えるが,複雑な処理には向かず単純計算に特化している.そのため画像処理等に使用される.