
日々の開発で「同じようなコードばかり書いてるな……」と感じたことはありませんか?そんなときに頼れるのが、AIがコードを提案してくれるGitHub Copilotです。まるで隣で一緒にペアプロをしてくれるかのように、次に書くべきコードをサポートしてくれます。
この記事では、Copilotの特徴と注意点について簡潔に紹介します。「使ってみたいけど、どんなことができるの?」と気になっている方に向けた入門ガイドです。
GitHub Copilotとは?

GitHub Copilotは、GitHubとOpenAIが共同開発した、人工知能によるコード補完ツールです。エディタに組み込むことで、コードの一部やコメントを入力するだけで、AIが続きのコードをリアルタイムに提案してくれます。まるで、隣で一緒にコーディングしてくれるペアプログラマーのように振る舞うことから、「AIペアプロ」とも呼ばれています。
Copilotの中核となる技術は、OpenAIの大規模言語モデル「Codex」です。このモデルは、GitHub上に公開されている膨大なコードを学習しており、さまざまなプログラミング言語やフレームワークに対応しています。JavaScript、Python、TypeScript、Go、Ruby、Javaなど、主要な言語はほぼカバーされており、フロントエンドからバックエンドまで幅広く支援してくれます。
2021年に初めてリリースされたCopilotは、現在では世界中の開発者に利用され、VS CodeやJetBrains IDEなど多くのエディタで利用可能です。定型的な処理の自動化や学習支援、プロトタイピングの加速など、開発の効率化に大きく貢献しており、今後の開発スタイルを変える存在として注目されています。
Copilotでできること(活用シーンの紹介)
GitHub Copilotは、以下のようなさまざまな場面で活用できます。
活用シーン | 説明 |
---|---|
コメントからコードを生成 | 例:// 配列を昇順にソート など、自然言語コメントから意図したコードを生成 |
関数名や変数名の入力から補完 | 関数の中身や処理の流れを推測してコードを提案 |
API呼び出しの定型コード生成 | fetch や axios などの定型パターンを自動で補完 |
ループや条件分岐の生成 | for文やif文を状況に応じて提案 |
バリデーション処理の補助 | ユーザー入力のチェックコードを自動生成 |
テストコードの自動生成 | 対象関数に対する基本的なテストケースを提示 |
エラーハンドリングの補完 | try-catchなどの構文を自動挿入 |
コードコメントの自動生成 | 書いたコードに対応する説明文を補助的に生成 |
新しい言語・フレームワークのキャッチアップ | 書き方の参考になり、習得をサポート |
MarkdownやSQLなどコード以外の補完 | ドキュメント記述やクエリ文も提案対象 |
シンプルなコードから複雑な処理まで、さまざまな補完が可能です。ただし、最終的な判断は開発者自身が行う必要があります。
Copilotでできないこと・注意すべきこと
Copilotは多くの場面で便利に使える一方で、注意しておきたいポイントも少なくありません。以下のような点に気をつけて活用しましょう。
注意点・できないこと | 説明 |
---|---|
提案されたコードが常に正しいとは限らない | ロジックの誤りや非効率な構文が含まれる場合がある |
セキュリティリスクがあるコードを出力する可能性 | 入力チェック漏れや脆弱な実装が提案されることもある |
著作権・ライセンスの問題 | 他人のコードに類似した内容が含まれるリスクがある |
チームのコーディング規約に沿わないことがある | 命名や設計方針と合わないコードが出てくることがある |
業務ロジックやドメイン知識を理解しない | ビジネス固有の判断や仕様には対応できない |
非推奨なライブラリを提案することがある | 古くなったりサポートが終了したライブラリを自動で選んでしまうことがある |
Copilotは「便利なツール」ではありますが、すべてを任せてよい存在ではありません。AIが提案したコードをそのまま使うのではなく、自分の判断で取り入れる姿勢が大切です。
対応エディタ一覧:どこでCopilotは使えるのか?
GitHub Copilotは、さまざまな開発環境に対応しており、日々のコーディングスタイルに合わせて使うことができます。以下に、代表的な対応エディタと特徴をまとめます。
エディタ / IDE | 対応状況と特徴 |
---|---|
Visual Studio Code | 最も多く利用されている。Copilot Chatにも対応し、拡張機能との連携がスムーズ |
Visual Studio 2022(v17.8以降) | Windowsユーザー向けに本格対応。コード補完とCopilot Chat両方に対応 |
JetBrains IDE(IntelliJ, PyCharm等) | プラグインを導入することで補完機能やチャットが使えるように |
Neovim / Vim | copilot.vim プラグイン経由で対応。軽量なエディタ派にも嬉しい選択肢 |
Azure Data Studio | SQLやデータベース作業向けに対応 |
Xcode | macOS Monterey以降で動作、Swift開発でも利用可能 |
GitHub CLI / Windows Terminal | ターミナル上でもCopilotの提案が利用可能 |
GitHub Mobile(iOS/Android) | モバイルアプリでも簡易的にコード提案が可能 |
環境に合わせて使える柔軟さも、Copilotの魅力のひとつです。
Copilotとの向き合い方(使う上での心構え)
Copilotは「全部自動でやってくれる魔法の道具」ではありません。あくまで開発者の補助として使うことが前提です。
- AIの提案を必ず検証する
- コードの意味を理解してから採用する
- チーム開発ではレビュー体制を維持する
- 提案を学習素材として活用する姿勢も有効
まとめ
GitHub Copilotは、コード補完・生成を通じて開発者を強力にサポートしてくれるツールです。一方で、AIの提案には誤りやリスクが含まれることもあり、使い手側のリテラシーが重要になります。
「便利だから使う」のではなく、「理解したうえで活用する」という姿勢が、Copilotと上手に付き合う第一歩です。
次回は、実際にGitHub Copilotを導入して使い始める方法を紹介します。